flat7th

music/20230718

created 2023-07-18 modified 2023-07-18 

ギターは、右手を離した時に音が出る楽器である、というシンプルな事実があって。
気づいてから実践できるまでに、10年以上かかっています(まだできていない)。

普通の言葉を使うと「離す」ではなくて「弾く(はじく)」なのですけど、ここではあえて「離す」と書きます。

何のことかというと、私はギターのリズムが悪くて、なかなか上手にならないという話。

NG: 「リズムが悪くなる、悪いイメージ」
ピアノのように触る動作の最後に音がでる、とイメージして演奏してしまう。

GOOD: (というか事実)「リズムが良くなる、良いイメージ」
引っ掛けていた指やピックを、弦から離したときに音が出る、とイメージしながら弾く

なんですよね。

もしや、毛抜きで毛を抜くときの感覚と近い、かもです。
毛抜きで毛を掴んで、引っ張って、引っ張るチカラがグーっとかかっていって、一定以上になったときにスッと抵抗が減り、毛が抜ける。





昔私は、自分はコード弾き だけをしたい人で、単音を弾く練習なんてしなくていいよ、なんて思っていたことがあります。

でもコード弾き でも、このリズムイメージの誤解が悪い方に出るんですよね。

■回り道が必要だった原因「コード弾きのリズムを良くするには離すタイミングで音が出るイメージと動作習慣を獲得する必要がある」


で「離すときにタイミングを合わせる練習」については、コード弾き(複数の弦で音を出す)で練習するのは、結構難しい。シンプルに、単音弾きから練習したほうがやさしい。

■回り道が必要だった原因「弦を離すタイミングで音が出るイメージをつけるには、単音弾きを練習する必要がある」


なんだけど、ギター指板ってのはピアノで言う白鍵と黒鍵の区別が分かりづらくて、スケールが把握できていないと単音弾きの練習がままならない。

■回り道が必要だった原因「単音弾きを練習するには、スケールを把握しクセで白鍵を弾けるくらいになる必要がある」


スケールって、単にコードイメージと「くせ」付けだけで覚えられるかと思ったら、なかなかそうはいかず。
自分が出したい音が ド なのか レ なのか ミ なのか... イメージできてないからか、なかなか頭に入らない。


■回り道が必要だった原因「スケールを把握するには、頭の中で ド レ ミ ファ ソ ラ シ をイメージできる必要(?)がある」


名前がついているモノの、序列をイメージするのって結構大変なのです。
例えば、
ラ の 1個手前(7度)はなにか? → ソ。
ファ の 2個次(3度)はなにか? → ラ。
みたいなイメージって、
身につけるには結構練習が必要。

なので 数字方式 を練習するひともいるようですよね。
だけど音の「度数」って 基準点が1で始まる数 (ゼロが一般化する前に書籍体系ができてしまったので今更直せない)な上に、
2と3の間の距離 と 3と4の間の距離 が違う とかいうモノなので、(レとミの間は全音、ミとファの間は半音)
数値が良いかというとそうでもなく。
やはり「名前を付けて呼び、名前で把握するモノ」なんですよ。
そしてやっかいなことに「7つのモノ」ってのは、一度に把握するにはギリギリ数が多い。

■回り道が必要だった原因「ドレミファソラシドは 序列があり、かつ不規則的な概念 なので、頭に入れるのはそれなりに練習が要る」


自分はリスナーとしては白鍵しか出てこない音楽はつまらなくて。黒鍵(変音)が出てくる音楽を学びたい。
その上で、ドレミファソラシドって、黒鍵までイメージするには、システムというか体系が、不完全なんですよね。
それでソルミゼーションだの、誰々式 移動ド 読み とかを学ぶ。

■回り道が必要だった原因「カタカナのドレミファソラシド イメージを捨てて、Do Re Mi Fa Sol La Ti Do に慣れる」

人によって(あるいは学校、学派によって)ドイツ読み で移動ツェー をやる方もおられるのでしょう。
でもドイツ読みはドイツ読みで B (柔らかいb) と H (硬いb) とかあって、…
なお オランダ は、ほぼドイツ式なのだけど H(ハー) を使わず、B(ベー) と Bes(ベス) なのだそうで。

自分は イタリア音名のアルファベット表記、を選びました。
シはTiで。EsはMe。Asは...Leとしたり、Low としたり。レはReと書くけど読むときはReiと読んでいます。

今はそれで練習しています。

 Do
    Di
 Re       (Reiと読む)
    Me
 Mi
 Fa
    Fi
 Sol
    Si/Le (III7の3度はSi、IVmの3度はLe。紛らわしいときはLowと読む)
 La
    Te
 Ti




人生において学習の要領が良い、というか、思考の柔軟性が高い方がいます。
そういう方は、これらをある意味「ショートカット」して、自分が身につけたいところをピンポイントで身につけられるのかも知れません。

でも残念ながら自分はそうじゃない。運動神経が悪く、思考の柔軟性もなくて「上達のカンが悪い」人間です。

身につく(習得できる)順番って、必要となる順番の逆なわけで。


□ Do Re Mi Fa Sol La Ti Do を把握し、音を頭の中でイメージできる練習をする

□ 白鍵相当の位置をギター指板上で把握するためにスケール練習をする(リズムはまだ)

□ 単音弾きをリズム良く弾けるよう練習をする(離すタイミングで音がでることを自分の脳と手に教え込む)

□ コード弾きをリズム良く弾けるよう練習をする


となる訳ですな。
はー。楽器上達の道は遠いです。

実際にはこれらを この順番どおりにやらなければならない、ことはないし、こんな回り道は自分の中で動物的に「必要だ」とイメージできないので、やる気が持続しない。
なので、少しずつ、つまみ食いでやっていく。やっていく中で、だんだん身についていく。
その年月の中にはライブをしたり、そのために特定の曲を練習して覚えたり、お酒を飲みすぎたり、がある。
自分の場合は金属アレルギーもあるので、集中して練習すると症状がひどくなって 日常生活でイライラして、練習動機が止まったりする。

それでも、何度も動機を再発見して、進んでいくんですよ。その途中で、他人によく見られたいとか異性の知り合いを作りたいとか、ヨコシマな動機も割り込んでくるけど、そういうのは年月とともに削がれていく。
根源的には学習意欲ってのは、「音楽が 楽しいもの、気分がいいもの だから」なのでしょうね。





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