flat7th

music/20250503

created 2025-05-03 modified 2025-05-04 

改めて、楽器遊びの目的に気づいた件


音楽のセッションイベントというのは、客は遊びに行くわけですが、当然ホストのミュージシャンの皆さんは仕事の意識でやっておられるわけです。当たり前と気づけば当たり前なのですが、結局はそこで学べることは、遊びだけじゃなく本業の勉強にもなる、と思ったことでした。


先日、懲りずにセッションの場所にまたお邪魔して、遊ばせていただきました。というか勉強をさせて頂きに伺いました。
自分はレベルが低くて、いわゆる鬼ごっこの「マメ」みたいな役割で、参加させて頂いている「気分になっている」ようなものなのですが、他の方や、ホストの方が何をやっているのかをよく見て、勉強したいのです。つまりホストさんや他の先輩方は自分にとっては音楽の先生なんです。


ホストさんたちは本当に包容力がすごい。

例えば一つの…小さな例なんですが。
ホストのギタリストさん(先生)がマルチエフェクターで空間系の音色に切り替えて長い音を演奏されたのが、すごく効果的に思えた瞬間があり。
あとでお話を伺ったのです。
休憩時間にもエフェクターの話題になったりしましたが、やっぱりマルチを持参して空間系の音が出せるとすごく効果的ですね、とかそんな。
そうしたら先生ポツリと「今日はキーボードがいないですからね」と。おおお、そうか。


その日はホストにもゲストにもキーボードさんがいなくて、ドラム・ベース・ギターのホストさんに対し客はギターが3人ベースが1人。
すると全部でギター4人ですから、ひとりが抜けてもギター3人とか、そんな状況になるわけです。

なるほど、この状況では、「キーボード」を模擬するのが有効なのか。
エフェクトとしてコーラスなど空間系を効かせた音で、「白玉音符」演奏に近い音を出せば、他のギターさんを包める。
もしかしたら多分コンプレッサーなどもかけて減衰具合をゆるやかにしてるかもですね。
勉強になります。


もっとよく観察していると、ホストさんは客(ゲストとして入る人)のレベルもしっかり観察されていて、
上手な方には、その方の「少し先」の事をできるように、少し難しいことをできる空間を、パッと開けてくれていたりしてます。
アドリブ演奏の小節数を半分にしていくアレ、とか。
でもその空間にハマることをできるかどうかは、またその、私より上手な先輩方にとってはチャレンジだったりするのでしょう。

全部は書ききれないですが他のいろいろもあって、関心してばかりでした。

なんとなく整理すると
  • その場所のコンセプトというか、大きな「何をする場所なのか」を把握されていて(当然といえば当然なのですが、これがまた深い…)
  • 気を配り、その場所で「足りない役割」に気づき、それに対し自分ができることを考えて、やる。

でこれらの「気づき」が、自分の場合、本業の仕事の勉強にもなっています。

ギターでコード弾きをするだのアドリブソロを弾く、とか、
あるソフトウェア構成上でプログラミング言語を使ってソースコードを完成させる、とか、
そういう技術は、基礎で。
プロミュージシャンでもある、セッションホストさんたちにとってははるか手前の技術なんですよね。

その場所で足りない役割に気づいて、そこを補うことができる、とか、ゲストのレベルに合わせて少し先の課題のヒントを出す、とか
そこまでできるのがプロなんですね…、と。


でそういうことに気づくと、今まで自分の本業の仕事場でそれができてなかったなと反省 に至ります。


それでまた、こうやって日記に書いてみるということをしてみると、別のことにも気づいたりします。

音楽の場所も、ソフトウェアの場所も、ゲストはゲストというだけでもなく。ホストも、またホストというだけでもなく。
人間が集まって、頭を使って、活動している。

私にとってライブハウスだとか、そういった場所で音楽遊びをする目的は、楽器演奏という知的な遊びを上手に楽しんでいる人たちに混じって、いっしょに遊んでいただきつつ、いっしょに遊べるヤツだなと思っていただきたいということ。

なんですな。結局。言語化してみると、自分がモヤモヤ、ウジウジしていたことが少し整理できたような、気分になります。
気づいたら次、実践しなきゃですね。

ライブハウスに遊びに伺っても自分が満たされないのは、私がただ酒飲んでクダ巻いてるだけだからだ。
それは単に酒癖の悪い面倒くさい客でしかない。

そういえば過去、少し仕事が順調で潤っていた時期、オーセンティック・バーでも同じことを学んだような気がします。いわゆるカクテル・バーも、それなんですよ。

自分が心地よくなるために行くんだけど、常連としてもてなして頂きたかったら、お店の人から「いい客」として見てもらうように振る舞う必要があって。例えば泥酔しないとか。例えばパッと飲んでパッと帰るとか。飲み屋の客なんだけど、常連さんって、新しいお客様が来店したのを観察して、おかわりを頼むタイミングを待ったりします。店に入って一杯目って大事だと知ってるから。新しく入ってきたお客様にとっても、それを出そうとしてるお店にとっても大事だから。それとか、自分がどこかに行ったときのお土産をお店に差し入れたりするんですよね。


さて、今度は自分の弾き語りのライブがあるのですが、その場所でどういう風に振る舞えるかな、と考えてみます。


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